『リトル・パレスティナ』上映報告
「映画を通してパレスチナに出会う市民上映会vol.2」も大盛況で終えました!
当日はひな壇の座席を組むのに始まり、そのために集まって頂いた「態変」のパフォーマーやスタッフの方たち、駆り出された友人たちありがとうございました!手作りで広げる上映会、です。
メタモルホールは普段は「態変」の稽古場ですが、パフォーマンスや音楽イベントなども行っているので、是非ご興味のある方は態変HP(http://taihen.o.oo7.jp/upcoming.html)をご覧ください。
完全暗転された空間の中に映し出される『リトル・パレスティナ』は、今このタイミングで、この場所で観るからこそ響くものがありました。
事前収録させて頂いたパレスチナ地域研究者の金城美幸さんは、日本とイスラエルの植民地主義の歴史を照らし合わせ、戦後国籍を奪われた在日韓国・朝鮮人の方達の市民的権利、沖縄の米軍基地問題や日本の入管法、アイヌ差別の問題などとの関連性を指摘しながら、私たち一人一人が自国の歴史と向き合う必要性についてお話しされました。そして、切り離された問題ではなく、自分の日常社会と繋げてパレスチナについて語る#let’stalkaboutPalestineというムーブメントがあることも教えて頂きました。
上映後は観客の皆さんからもたくさん感想をいただきました。今のガザを想起させる悲惨な状況の中でも力強い言葉を紡ぎ、歌を歌う人々の豊かさ。今まで自分がどれだけ偏った価値観の中で生活していたのか気付いた、など。そして、アブダラ・アル=ハティーブ監督が映し出す人々に対する「尊厳」や「人権」という言葉の意味、など。尊厳無くして人権はない、と気付かされる映画鑑賞体験でした。
偶然にも昨日は、全ての人が生まれながら基本的人権を持っている事を初めて公式に認めた「世界人権宣言」が採択されてから75年目の日でもありました。イスラエル建国、パレスチナの人にとって祖国喪失の<ナクバ(大災厄)>からも75年。停戦に至る事なく迎えた世界人権デーに、この75年間でパレスチナの人たちをはじめとする基本的人権を保障されないままの人たちがいまだに沢山いることを改めて考えさせられました。国の隔離政策で故郷を追われたハンセン病の方達や、障がいがあることを理由に19人の入所者の方達が職員に殺されてしまった「相模原事件」など、問題の「不可視化」がされてきた現状に私たちは目を向けなければいけないと思いました。
なお、お預かりした入場料は前回と同じくパレスチナ赤新月社に寄付したいと思います。
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